畑には、大根の屍が累々と横たえられる事になってしまった。
大根は勝ったのに、なぜ屍とならねばならなかったのか?
それは、私が大根の成長に負けたから、である。
大根の種はスジ蒔きした。
同じ時に蒔いたどの種よりも発芽が早く、発芽率も高かったように思う。

こんなに小さな芽が最初なのだ。
そしてこんな風にスジになっている。

昨年は初めての畑であったので、
自分としては結構間引きをした積りであったが、甘かった。
ある時点で、私の消費を大根の成長が越えた。
そのうちに、アブラムシが集り、スラム大根と化し、
一体どう手を付ければ良いのか図りかねているうちに、季節が終わった。
そして、大根は累々とその屍を晒す事になった。
だが、今年はそんな事はさせない。
徹底した間引きを実行した。
大根と平行して徹底的に間引きしたのは、レタスとルッコラだ。
直に、二十日大根もそのリストに加わった。
大根は、楊枝程の太さから、鉛筆になり、小さめのニンジン程に成長した。
そして、大人っぽく、ぐぅっと首を伸ばし始めた。

今年の私には、大根との競争に勝算があった。
思い切った間引きを実施した所為で、
この時点で、大根は40本、という数だった。
そしてそこから10本程を東京に行くのに持参する予定があった。
今年は、大胆な事をしてみる事にした。
それは、次の競争の設定である。
隣にある、何を植えたか忘れたし、何も芽が出てこない、という畝に、
次の競争の為の大根の種を蒔いた。
最初の種蒔きよりも、気温が上がっている所為だろう、
種はあっという間に発芽した。

奥の畝から大根を抜いて東京に持参した。
そして、この連日の雨降りのおかげで、目覚しい成長を見せている。

この第二弾の種蒔きは、丁寧に間をとって蒔いたので、
少々成長しても、余り気の毒に混み合わないようになっている。
丁寧な種蒔きが、後の競争にはとても重要なのだと分かる。
第一弾の種蒔きの時は、この辺りは夫が担当して蒔いていた。
夫は間引き等の手入れには一切手を付けないので、
平気でびっしりとスジに蒔いたりするのだ。
そうこうしている間に、意外な追い上げを見せているのはルッコラである。
ナンと、既にトウが立ち始めているのだ。
少々押され気味ではあるが、
これも、次の競争の為の種を発注した。
野菜との競争。
それは、私が畑で成長する野菜を食べ尽くす、という事なのだ。
これからの季節は競争が激化する。
来週少し東京に行く予定だが、
それ以降は、夏の間は東京へ行かずに競走に専念しようと思っている。

