私に運転してほしい、という事なのだ。
仕方ないなぁ、くねくね道の前までだよ。
だが結局は野辺山のドライブインまで私が運転をした。
昨年キャベツ工場に行った時は、夫とけんかをしてしまったけれど、
あれからはよく相談をしながら代わりばんこに運転をして、
楽しくお出掛けする事ができるようになった。
本当に良かったと思っている。
「キャベツ工場とピクニックシート」
http://nemureruhitsuji.seesaa.net/archives/20080721-1.html
夫は、来た時と違う道を帰ろうと言ったが、
私は、同じ道を帰りたかった。
私は都心の道を憶える事は結構自信があるのだが、
なぜか山間部の道は中々憶えられない。
せっかく来たのだから、できるだけ憶えて帰りたかった。
山登りをする知人が、長野でなら八ヶ岳の辺りが好きだ、と以前言っていた。
八ヶ岳のどういう感じが好きなのか考えてみた。
私が感じたのは、野辺山の辺りは高原野菜の栽培と酪農が盛んで、
清里や小淵沢は、まぁ山梨県なのだが、別荘と観光地とソフトクリーム、
という印象だろうか。
運転して通ったのは、八ヶ岳公園道路、という名前だった。
アウトレットを出て少ししてから、国道141号線にぶつかるまで、
たった一台の車も居なかった。
なんて寂しい所なのだろう、と思った。
かなりうっそうとした木立の中に別荘が時々あって、
いきなり開けた農振地区には段々の斜面に田んぼがあった。
そしてまた木立の中に入って、緩いカーブとアップダウンが続いた。
樹木の種類は分からなかったが、大きくて密生していた。
ここは、本当の山奥なのだ、という感じがした。
こうして出掛けて来てみると、川沿いに人々の暮らしがあって、
そして道路や鉄道ができていったのだ、と分かる。
東御に居ると、千曲川は東西に流れている川だけれど、
佐久平の大きな開けた景色で見えた山が迫ってきて山間部に入ると、
今度は川は南北に流れて谷を形成している。
地域によって様々な趣を見せてくれる。
八ヶ岳が好きだと言った知人は、こういう地域が好きなのだ、
という事なのだろうと思った。
すぐそこに深い山があって、木立は暗くしっとりとしていそうだ。
農振地区の開けようが余りに対照的で、夫と私はちぐはぐな印象を受けた。
あれは、とても大変な開墾をされたのだろう、と話した。
私は、夫が東御にアパートを持っていて、本当に良かった、と思った。
東御は、北に湯の丸の山があって、東西に流れる千曲川に向かって南に下がる地勢だ。
川を渡った向こうに八重原がある。
ここもまたぐっと登った上はなだらかな景色が広がっている。
年間降雨量も少なく、からっとしていて日照時間も長いそうだ。
私の住む辺りの標高650m付近に立つと、真南に甘食の形をした蓼科が見える。
私は、本当にここが気に入っているのだ。
こんなに気分のイイ所に、夫がアパートを持っていて、本当に良かった。
私のような、イジケやすくて暗い性格には、これくらいカラッと爽やかな所が、
とても有難くぴったりしていると感じる。
中学の時の同窓会で、違うクラスだった男性が声をかけてきた。
彼の名前は知っていたけれど、一度も話をした事の無い人だった。
最近はどうしているのか、と聞かれたので、
東京でバイトもしているけれど、殆どは長野で生活しているのだと答えた。
彼の私の印象は、画廊やギャラリーで受付とかが似合いそうだ、という事だった。
お菓子の販売の仕事だと言ったら、それは意外だ、と言われた。
更に、長野で暮らしている、というのを、
人里離れた山奥の別荘地のような所を想像したらしく、
スーパーに歩いて行ける、と話したら、山奥じゃないの?と驚いていた。
君は、偏屈で人嫌いなヒトだという印象だ、と言われたと同じ事かもしれない。
まぁ、当たってはいるのだ。
だから敢えて広々として爽やかな風が吹き渡るカラッとした所に居るのだ。
夫が休暇をくれて、お出掛けして知らない所を見てきた。
素敵な景色もあったし、またぜひ出掛けたい所もあったけれど、
やはり、こうして東御のアパートのウチに帰ってきて、
ここで本当に良かったなぁと思うのだ。
楽しく有意義な休暇であった事を、夫に感謝している。

