別に、「おヒマを出された」という事ではない。
私が、オーダーの犬の洋服に56個もボタンを付けて納品した、と話したら、
「ひつじちゃん、頑張ったね。ちょっと休憩する?」
と休暇の提案をしてくれたのだ。
以前、夫に、八ヶ岳や清里にちゃんと行った事が無い、と話してあった。
正確には、八ヶ岳には行った事はある。
20歳頃に、友人と誰かの貸し別荘に行ったのだ。
10人位の人数で行って、飲んで騒いでテニスでもしてきた、と思う。
アレでは、果たしてどこに行ったのか印象が殆ど無いのも無理は無い。
夫が、君が行きたがっていた清里方面に行こう、と言ってくれた。
明日10時に迎えに来るよ、と言って、
夫は本宅に帰って行った。
長野県の雑誌「KURA」の清里方面の号を出してきた。
見てみると、コレと思うレストランは水曜日が定休日であった。
やれやれ、困ったなぁ。
明日、夫と相談しながら、どこか探さなくちゃ。
夫が「平らな所はひつじちゃんが運転してね」と言っていた。
ナンとなく曇り空の下を、私の運転で出発した。
佐久平の見知った町並みを過ぎて、
小海線と千曲川に沿ってひたすら南下した。
小海線の汽車を見たかったが、延々と走っても結局小海線の車両は見られなかった。
ファミリーレストランがあり、踏切を渡った。
ここから山道っぽくなるんだ、と夫が言った。
夫に運転を代わって貰ったが、小海の町の中で既に雨が降り出していた。
激しい雨が、強くなったり弱くなったりしていた。
「八ヶ岳だよ」 野辺山で夫が教えてくれた。

雪があるのが見えた。
いつも真南に見えている蓼科山を追い越して、南側に来ているのだ。
いつも見ている蓼科山を追い越しただけでなく、
いつも居る650mの標高の倍以上の標高の場所に居るのだ。
そして、周りはさながらレタス工場のようだった。

白いビニールマルチにびっしりとレタスが植えられていた。
また雨が降り出したので車に戻り、ドライブインを目指した。
このドライブインで、恐ろしい雷とアラレに遭った。
金属的な音がしたものすごい雷だった。
早くお昼ご飯を食べに行こうという事になったが、
素敵なレストランは定休日で、ちょっと遠いレストランは一時間かかった。
仕方ないので、清里の有名な「S」(仮名)に行く事にした。
所が、やっとたどり着いた「S」のフロントでは、
今日お食事ができるのは少し遠いカフェテリアだけだとの事だ。
もう一度車まで戻り、そのカフェテリアのような建物まで移動した。
「S」も多分水曜日はレストランは休みで、
カフェテリアとパンの店しか営業していないのだ。
この地域に水曜日に来てはならなかったのだと散々思い知らされた。

雨が上がっていたので、テラス席に座った。
だが、山の風は冷たく、夫が車にシャツを取りに行っている間に
再び雨が降り出してきた。
高い木の梢でカッコウが尻尾を振り振り啼いているのが見えた。
だが、風邪をひきたくなかったので屋内の席に移動した。
夫はポークカレーを注文して、
私はチキンドリアを注文した。
先に、夫のポークカレーが来た。
夫は、メニューに写真が出ていないモノを注文したので、
来たカレーをじぃっと見入っていた。
そして、それは悲しそうな顔で私を見た。
悪いけれど、100円のレトルトカレーに
しゃぶしゃぶ用の豚肉がひらひらと入っているようにしか見えない。
夫は、1200円のポークカレーなのだから、一口では頬張る事のできないような
サイコロ型の豚肉がゴロゴロ入っているのを想像していたようだ。
だが、100円のレトルトカレーみたいだとはとても言えなかった。
夫が余りにかわいそうだったので、
上ずった声で「お肉がぷりぷりしてるよ」と言ってあげた。
辛らつな批評をしない私を、夫は不審そうに見ていた。
私のチキンドリアも似たようなモノだった。
カレーはヒドいけれどドリアはマトモ、というのはあり得ない。
それでも一応歯応えが感じられる程度の大きさのチキンが入っていたので、
夫にあげた。
夫は、地獄で仏、みたいに嬉しそうにしていた。
夫と、また二人でヒドいモノ食べちゃったね、と話した。
丁度一年位前に、記念的にヒドいモノを食べたのを思い出した。
「新婚気分のイケアでゲレ食」
http://nemureruhitsuji.seesaa.net/archives/20080530-1.html
もう二度と「S」には来ない、とまた降り出した雨の中で思った。
「S」のほんの少し先に、素敵なパン屋さんを見つけて、
ちょっと行き過ぎていたのをUターンして入ってみた。
さっき「S」で二人分で2400円も支払ってしまった。
こちらの素敵なパン屋さんで、お買い物した方がずっと良かった。
まぁイイや、二度と行かなければイイだけだ。
リゾナーレに行き、丸山コーヒーで濃くて美味しいコーヒーを頂いた。
北欧雑貨のお店で素敵なテーブルセンターを買った。
ノーベルディナーの時に使われるテーブルクロスを作っている会社なのだそうだ。

それから小淵沢の道の駅に行った。
隣の温泉宿泊施設のエントランス前にある藤棚がそれは素敵だった。
ガラス張りのカフェらしき建物が建つ斜面に、
円形の藤棚がとても大きく回りを囲んでいる、というものだ。
この、小淵沢の道の駅でのお買い物が一番楽しかった。

